レイキャスティング
画面の縦一列ごとに2Dグリッドマップへ光線を1本飛ばして壁を描く、安上がりな擬似3D描画技法である。
id Softwareの『Wolfenstein 3D』(1992年)で広まったレイキャスティングは、2Dのマップから擬似的な3D視界を作り出す。画面の縦一列ごとにグリッド上へ光線を飛ばし、壁に当たるまでの距離を測り、その距離に反比例する高さの縦スライスを描く。ポリゴンも重い浮動小数点演算も不要で、386でも動いた。
壁はグリッドに沿った垂直面に限られるため、斜めの床や上下を見る動作、部屋の重なりは扱えない。『Doom』(1993年)はグリッドをBSPで分割したレベルに置き換え、斜めの壁を可能にした。なおレイトレーシングとは別物で、あちらは1ピクセルに多数の光線を使って光を精密に再現するが、レイキャスティングは速度のために1列1本である。