慣性テンソル
剛体の質量が重心のまわりにどう分布しているかを表す3×3行列。質量の回転版にあたる。
質量が、直線方向の速さを変えることの難しさを表すとすれば、慣性テンソルは回転を変えることの難しさを表す。角速度と角運動量(L = Iω)、トルクと角加速度を結びつける。物体自身の主軸で見ると行列は対角になり、3つの主慣性モーメントが現れる。長い棒は長軸まわりには回しやすいが、端から端へ転がすのは骨が折れる。
物理エンジンは逆テンソルを物体座標系で保持する(そこでは値が変わらない)。そして毎ステップ、I⁻¹ = R·I⁻¹₀·Rᵀでワールド座標系へ回す。テンソルが正しくないと、ラグドールや飛び散る破片の回り方がおかしくなり、乗り物はカーブで重さを失ったように感じられる。