トルク増幅器
摩擦車は正しい回転を出すが、力はほとんど出せない。トルク増幅器は、ほぼ無力な回転で強い回転を制御させた。
機械式積分器の摩擦車は正しい角度を出すが、力はほとんどない。針を動かすのがやっとで、連鎖する次の円盤を駆動するなど無理だった。この一点が、積分器をつないで微分方程式を解くというケルビンの夢を50年以上にわたって阻んでいた。トルク増幅器がそれを解決した。原理は船乗りのキャプスタンである。モーターで回るドラムに、バンドがゆるく巻かれている。入力である弱い回転がバンドをわずかに締めると、ドラムとの摩擦が大きなトルクを生み、出力は入力の角度に忠実に従う。
H.W.ニーマンは1920年代半ばにベツレヘム・スチールでこれを作り、ヴァネヴァー・ブッシュは1931年の微分解析機のすべての積分器に1対ずつ取り付けた。これによってようやく、積分器の連鎖が互いを駆動できるようになった。同じ仕掛けは、デジタル機が取って代わるまで、射撃管制装置やアナログコンピュータにも使われていた。