水力侵食
水が流れて土砂を削り、運び、低い場所に堆積させる過程をシミュレートし、ハイトマップに谷や尾根を刻む地形生成技法。
プロシージャルノイズだけでは丘と谷はできても、現実の地形を形づくる水の作用、つまり溜まり、斜面に沿って流れ、削っていく過程の痕跡が出ない。水力侵食はその過程をハイトマップ上で実行する。雨を一面に降らせ、水は下り坂を流れ、速度と傾斜に応じて土砂を拾い、流れが遅くなると落とす。谷は深くなり、盆地は埋まり、本物らしい河道が現れる。
手法の起源は1989年のMusgrave、Kolb、Maceによる「The Synthesis and Rendering of Eroded Fractal Terrains」である。数千の水滴を落として各々に道を掘らせる粒子方式と、水の層をセルごとに解くグリッド方式の二系統がある。姉妹技法の熱侵食は、安息角より急な部分の土砂を崩す。両者を組み合わせれば、ダイヤモンドスクエア法のハイトマップも雨風に洗われたような姿になる。