dbxノイズリダクション
David Blackmerによるテープ用ノイズリダクション。録音時に信号全体を2:1で圧縮し、再生時に1:2で伸張して、その間に入ったヒスノイズを消す。
ドルビーBは高域だけを、しかも小音量のときにだけ処理した。dbxは全帯域を常時処理する。RMS検出器とVCAが、テープに入れる前にダイナミックレンジをdB単位で半分にし、再生時に倍に戻す。テープが加えたヒスは同じだけ押し下げられ、実用上は約30 dBと、ドルビーを大きく上回った。タイプIはスタジオのオープンリール用、タイプIIはカセットとdbxエンコードのレコード用で、同じコンパンディング方式の派生は米国のアナログテレビのステレオ音声にも使われた。
代償は敏感さである。テープ上のレベル誤差は伸張時に2倍になり、ヘッド接触が不安定なテープでは、音楽に合わせて息づくようなポンピングノイズが出た。許容範囲の広いドルビーが民生市場を制した。dbxはコンプレッサーのメーカーとして続き、同じVCA技術からdbx 160がスタジオの定番機となった。