ヴィジュネル暗号
3世紀にわたり解読不能とされた多表式暗号。だが繰り返しからキーの長さが割り出せると気づかれて破られた。
シーザー暗号の一種で、繰り返されるキーワードに従い、文字ごとにずらす量が変わる。方式自体は1553年にジョヴァン・バッティスタ・ベラソが記述したが、1586年に改良版を発表したブレーズ・ド・ヴィジュネルの名で呼ばれる。長いあいだ「le chiffre indéchiffrable(解読不能の暗号)」と称された。
1863年、フリードリヒ・カシスキーが解読法を発表した。暗号文中の繰り返しからキーの長さがわかり、それが判明すれば、文章はその数だけの単純なシーザー暗号に分解され、それぞれ頻度分析で解ける。一方、メッセージと同じ長さの真にランダムなキーを一度だけ使うヴィジュネル暗号は、ワンタイムパッドであり、本当に解読できない。