Typex(タイペックス)
詳細情報
- 開発者
- O・G・ライウッド、英国空軍
- 年
- 1937
- 種別
- ローター式暗号機
- 前身
- エニグマ(市販型)
イギリス版エニグマ。基本は同じだが操作員がミスしにくく、ドイツ側には一度も読まれなかった。
英国空軍は1934年、O・G・ライウッド航空少佐の下で開発を始め、市販のエニグマを土台に二つの決定で差をつけた。一つ目は、5つのローター枠のうち最初の2つを回転させず、固定の撹拌層にしたこと。エニグマのプラグボードに近いが、復元ははるかに難しい。二つ目は、ローターのノッチを1つではなく5〜7個にしたことだ。繰り上がりが不規則になり、レイェフスキが攻撃の土台にした整然としたサイクル構造は現れなかった。
実用面の改良はさらに大きかった。Typexは出力を糊付きの紙テープに印字した。エニグマでは一人が打鍵し、一人がランプを読み、一人が送信する必要があり、受け渡しのたびに、ブレッチリー・パークが拠り所にした型どおりの定型文が入り込む機会が増えた。
約1万2000台が作られ、1937年から1950年代まで使われた。ドイツのB-Dienstは読めず、早い段階で諦めている。ただし「解読不能」と言い切るのは行き過ぎで、反射板は残っており、どの文字も自分自身には暗号化されない。違いは、ブレッチリー規模の組織がこの暗号に狙いを定めなかったことだ。そのブレッチリーはTypexを改造してエニグマの模擬に使ったので、破られなかった機械が解読に使われたわけである。