スティクション
待機中のヘッドをプラッタに張り付かせてしまう静止摩擦。古いドライブが回らなくなる典型的な故障原因だった。
語源はstatic(静的)とfriction(摩擦)の合成である。ドライブのヘッドがプラッタ表面に退避する設計(CSS方式)では、極めて平滑で潤滑剤が塗られた面同士が、潤滑剤によるメニスカス力と本物の吸着の両方で時間とともに貼り付くことがある。すると電源投入時にスピンドルモーターが引き剥がせない。ドライブはカチカチと音を立てるだけで回転しない。1990年代のノートPCやデスクトップのドライブで多発し、民間療法は本体を鋭くひねってプラッタに衝撃を与えることだった。表面に凹凸をつけた退避領域、さらにはヘッドをディスク外に完全に退避させるランプロード/アンロード方式によって、問題は設計で解消された。