スピリット複写機
手書きやタイプした原紙から、紫色のコピーを最大で数百枚とれた複写機。コピー機が普及する前の、学校のテストやクラブの会報の主力だった。
1923年ごろ、ドイツのWilhelm Ritzerfeldが発明した。原紙の裏にロウ状の染料(ほぼ常にアニリンの紫)を付け、筆圧をかけて書く。コピーのたびにアルコール系の「スピリット」溶剤が染料の薄い層を溶かし、紙に転写する。ミメオグラフより安価だが、枚数は少なく色も薄く、せいぜい200枚程度だった。
米国ではDitto、英国ではBandaの名で売られた。刷りたてのテスト用紙から立ちのぼる溶剤の鋭いにおいは、1980年代半ばに安価なコピー機が普及する前に学校へ通った人なら、鮮明に覚えているだろう。ステンシルにインクを通すミメオグラフや、ゼログラフィーとは別物である。