スペクトル漏れ
FFTで、1つの周波数のエネルギーが隣の周波数へにじむ現象。解析が信号の短く切り取った断片しか見ないために起こる。
FFTは、与えられたブロックが永遠に繰り返されると仮定する。ブロック内にちょうど整数周期の音なら仮定が成り立ち、音は1つの周波数ビンにきれいに収まる。そうでなければ、しかも実際の音楽ではほぼそうなるのだが、ブロックの終わりと始まりがつながらず、その不連続がスペクトル全体にエネルギーとしてばらまかれる。大きな音の近くにある小さな音は、このにじみに埋もれて消えてしまう。
対策は、各ブロックに窓関数をかけて両端を滑らかに絞ることだ。ハン窓、ハミング窓、Blackman–Harrisなどがあり、どれも主ローブの幅とサイドローブの低さを引き換えにするという同じトレードオフを抱える。Fredric Harrisによる1978年のDFT調和解析用窓関数の論文が、今も標準的な文献である。どのスペクトログラムにも、誰も触りたがらない窓の種類の設定があるのは、このためだ。