音源分離(音楽)
完成したステレオミックスを、元のトラックなしで、ボーカル、ドラム、ベース、その他に分け直すこと。
ミックスは足し算であり、足し算は逆戻りできない。何十年もの間、使える手はせいぜい片方のチャンネルを反転させ、中央に定位するものを打ち消すことだけで、ボーカルと一緒にベースの半分も消えた。現代の手法はスペクトログラムを計算し、ニューラルネットワークに、ビンごとにエネルギーのどれだけがどの楽器のものかを推定させる。そのマスクを元の信号に掛け、音声に戻す。
2017年のMUSDB18データセットが、この分野に共通のベンチマークを与えた。2019年に公開されたDeezerのSpleeterとMetaのDemucsが、それを無料でダウンロードできるものにした。もっともよく知られた応用は、2021年のピーター・ジャクソン監督『Get Back』と、2023年のビートルズ「Now and Then」である。後者では、ピアノが重なったカセットのデモ音源から、ジョン・レノンの声が取り出された。