心理音響学
音を測定値ではなく、知覚としてどう聞こえるかで捉える学問。MP3が音声の大半を捨てても誰も気づかない理由でもある。
耳はマイクではない。感度は周波数によって変わり、それは等ラウドネス曲線に示されている。また耳はスペクトルを臨界帯域に分け、エバーハルト・ツヴィッカーが1960年代にこれをバーク尺度として整理した。大きな音は周波数的にも時間的にも近くの小さな音を隠し、マスクされた音は信号に含まれていても聞こえない。方向は両耳の時間差・レベル差と、頭部自体によるフィルタリング(HRTFで記述される)から決まる。
知覚符号化は、すべてこの上に成り立っている。MP3、AAC、Opusはマスキング閾値を計算し、耳が聴いている場所にだけビットを使う。最初に届いた音が方向を決めるハース効果は、遅延させた補助スピーカーを置くPAシステムのすべてで利用されている。