特許の藪(Patent thicket)
ひとつの技術に特許が幾重にも重なり、十数の権利者全員からライセンスを得ない限り、誰も製品を出せなくなる状態。
この言葉は、経済学者カール・シャピロが2001年の論文「Navigating the Patent Thicket」で広めた。問題は個々の特許ではなく総和にある。権利者の誰もが妨害でき、作りたい者は全員と交渉しなければならない。教科書的な例がスマートフォンだ。2011年にはAppleやMicrosoftを含むコンソーシアムが、破綻したNortelの特許を45億ドルで買い取り、2012年にはGoogleがMotorola Mobilityを125億ドルで買収した。目当ては主に特許ポートフォリオだった。
業界の定番の解決策が特許プールで、権利者が特許をまとめて単一のライセンスとして売る。H.264ではこれがうまくいったが、H.265では複数のプールが競合して高額になった。そのためGoogleやMozillaなどが2015年にAlliance for Open Mediaを設立し、ロイヤリティフリーのAV1を作った。