mux
詳細情報
- 開発者
- ロブ・パイク
- 所有者
- Bell Labs
- 種別
- ウィンドウシステム
- 後継
- 8½
Blitの後継である5620向けにロブ・パイクが作ったウィンドウシステム。端末内部で動作し、シリアル回線をウィンドウごとのチャネルに分割した。8½やrioの祖先にあたる。
最初のBlitではmpxが動いていた。AT&Tが1984年に改良版のDMD 5620を売り出すと、パイクはこれをmuxとして書き直した。プログラムはUnixホストから端末の68000にダウンロードされ、そこから画面を引き継ぐ。各ウィンドウは、重なり合うビットマップ用のパイクのライブラリが扱うレイヤーで、マウスの右ボタンのメニューからウィンドウの作成、変形、移動、削除ができた。ホストへの1本のシリアル回線はチャネルに多重化され、すべてのウィンドウが向こう側に専用のシェルを持った。プログラムは自分の端末側の半分を送り込むこともでき、エディタsamがまさにその方式だった。端末側のsamtermとホスト側のsamが分かれ、マウス操作は回線を一切通さず端末内で処理された。
muxはResearch Unixの第8版から第10版に含まれ、AT&Tの商用System Vには親戚のlayersが入った。同時代のXとの違いは、クライアント・サーバーの区別と呼べるものがなかった点にある。端末こそがシステムだった。パイクはこのモデルをPlan 9へ8½、さらにrioとして持ち込み、そこではウィンドウは今も読み書きできるファイルである。