ミッド/サイド
ステレオの別の表し方。左と右ではなく、2チャンネルに共通する成分と、違いを生む成分で記述する。
ミッドは両チャンネルの和、サイドは差である。M = (L + R) / 2、S = (L − R) / 2。変換は可逆で損失がない。アラン・ブルームラインが1931年のステレオ特許でこの考え方を示しており、マイク技法としては、正面を向いた指向性マイクと真横を向いた8の字マイクの組み合わせで、後から幅を調整できるステレオ像が得られる。
DAWでM/Sを使えば、EQやコンプレッサーを中央と左右の端に別々にかけられる。幅は変えずにボーカルだけ持ち上げる、低音をモノにする、といった具合だ。後者は好みの問題だけではない。レコードではサイド信号が溝の垂直方向の動きとして刻まれ、低音が多すぎると針が溝から飛ぶことがある。FMステレオが和と差を送るのも同じ理由で、モノラル受信機にはミッドだけが聞こえる。