イコライザー(EQ) Equalizer
指定した周波数帯を持ち上げたり削ったりするフィルター群。ミキシングで最もよく使われ、最もやりすぎられる道具である。
各バンドには周波数、ゲイン、Qの3つのつまみがあり、Qは帯域の狭さを決める。グラフィックEQは固定のバンドごとに1本のスライダーを持つもので、1980年代のオーディオラックでおなじみの姿である。パラメトリックEQは帯域の位置と幅を自由に動かせる。この設計はジョージ・マッセンバーグが1972年にAESの論文で示し、現在はあらゆるDAWに標準搭載されている。シェルビングフィルターはコーナー周波数より上または下をまとめて持ち上げ、あるいは削る。ハイパスフィルターは低域のランブルノイズを根こそぎ取り除く。
通常のEQは、操作した帯域の周辺で位相をずらす。リニアフェーズEQは長いFIRフィルターでこれを避けるが、代償として実際のレイテンシーが生じ、ホスト側は遅延補正で吸収する必要がある。エンジニアの間では「ブーストするよりカットせよ」とよく言われるが、その助言は言われる回数とほぼ同じ回数だけ無視されている。