ライアビリティシフト(責任転換)
不正利用の損失を誰が負うかについてのカードブランドの規則。弱いほうの技術を選んだ側が負担する。
これは罰則の顔をした報奨である。ICカードを普及させるため、ブランドは偽造カードによる不正の責任を、対応を済ませていない側に負わせることにした。発行者がICカードを発行したのに店舗が磁気ストライプしか読まなければ店舗が、逆の場合は発行者が負担する。欧州は2000年代半ばに移行し、英国は2006年にチップ&PINを義務化、米国は2015年10月1日に続いた(ガソリンスタンドの給油機はさらに数年の猶予を得た)。
オンラインでは3Dセキュアが同じ役割を担う。発行者が認証した購入では、不正によるチャージバックの責任が加盟店から発行者へ移る。保護の対象はあくまで不正のみで、「荷物が届かない」という顧客の主張は対象外だ。フレンドリー詐欺が今も加盟店の負担になるのはこのためである。