EMV
毎回同じデータを読み上げる代わりに、カードが取引ごとに固有の暗号文を計算する、世界共通のICカード規格。
名称はEuropay、Mastercard、Visaの頭文字で、3社が1994年に最初の仕様を公開し、1999年に保守組織のEMVCoを設立した。直そうとしたのは磁気ストライプである。あれは固定のデータの塊にすぎず、スキマーさえあれば誰でも複製できた。EMVのチップはカードの外に出ない秘密鍵を持ち、取引ごとに暗号文(ARQC)で署名する。したがって、複製したカードは使い物にならない。
英国は2006年に「チップ・アンド・ピン」へ切り替えた。米国は2015年まで粘り、しかも当初はPINではなく署名を選んだ。規格も完璧ではない。2010年にケンブリッジ大学のSteven MurdochとRoss Andersonは、端末をだまして任意のPINを受け入れさせる攻撃を実演した。非接触決済やモバイルウォレットも同じプロトコルの上に成り立っている。