FSF v. Cisco
自由ソフトウェア財団(FSF)が起こした初の訴訟。Linksysルーター内のGPLコードを巡って2008年に提訴され、1年後に和解した。結果はCisco社内の新しい役職だった。
Ciscoは2003年にLinksysを買収し、GCC、glibc、coreutilsなどのGNUソフトウェアが詰まった製品群も手に入れた。以後FSFは、製品ごとにソースコードの欠落を指摘し続け、Ciscoは個々の案件を直すだけで、仕組みそのものは直さなかった。2008年12月、FSFはニューヨークで提訴した。同財団史上初の訴訟である。
2009年5月の和解は、金額よりも体制づくりが中心だった。CiscoはLinksys向けに「フリーソフトウェア・ディレクター」を任命し、過去の顧客に権利を通知し、ソースを公開し、非公開の額をFSFに寄付することになった。GPL紛争の典型的な終わり方がここで定まった。現金を欲しがる者はいないが、コンプライアンスの仕組みは誰もが欲しがる。