ファンタジーコンソール
ソフトウェアの中にだけ存在する架空のコンピュータ。8ビット機のような手触りになるよう、制限をあえて決めてある。
エミュレータは実在したコンピュータを模倣する。ファンタジーコンソールは、一度も作られなかった機械を同じように再現する。作者が解像度、パレット、サウンドチャンネル数、メモリ上限を固定し、コード・スプライト・音楽のエディタがたいてい同じ画面に収まっている。電源を入れるとそのままBASICが立ち上がったC64のようなものだ。制約こそが要点で、作品が完成する前に肥大化できる大きさに上限を与えてくれる。
このジャンルは2015年のPICO-8で花開き、オープンソースのTIC-80が続いた。デモシーンはすぐに両方を取り込み、他のプラットフォームと同じように扱って、専用のコンペやtweetcartまで生まれている。ホームコンピュータの不自由さは残しつつ、カセットテープのデッキだけは置いてきた、そんな種類のノスタルジアである。