差動歯車
出力が二つの入力の和になる歯車列。機械式アナログ計算機の加算要素である。
キャリアに載せた三つのかさ歯車によって、出力軸は二つの入力軸の平均で回る。目盛りを調整すれば和になる。自動車の左右の車輪に駆動力を配分するのと同じ差動装置が、機械式アナログ機械では連続量を、桁に丸めることなく加算するのに使われた。
数でなく動きで計算するところには、どこにでも現れた。Vannevar Bushの微分解析機は積分器の出力を差動歯車で合算し、第二次世界大戦で砲を狙った艦載の射撃盤や魚雷発射盤は、演算のすべてをこれで組み立てた。アンティキティラ島の機械も、紀元前100年頃に月の位相を表示するために一つ使ったと考えられている。やがて電子工学がこの技芸全体を時代遅れにした。