デコリレーション理論
ブロック暗号が真にランダムな置換からどれだけ離れているかを測ることで、攻撃の一群に対する耐性を証明する枠組み。
1998年以降、セルジュ・ボードネ(Serge Vaudenay)が発展させた。暗号と理想的なランダム置換との「距離」を、入力の組全体について定義し、その距離が十分小さければ、ある次数までの差分攻撃や線形攻撃が達成できる成功率に上限を証明できる。個々の特性を手作業で解析する必要がない。
ボードネはこの原理でCOCONUT98やPEANUTを設計し、AES候補のDFCのチームも同理論を用いた。皮肉は1999年に訪れる。デビッド・ワグナーがブーメラン攻撃でCOCONUT98を破ったのだ。証明は正しかったが、それは想定した攻撃にしか効かず、ブーメラン攻撃は長い差分ではなく短い差分二つをつなぎ合わせるものだった。理論は道具として生き残ったが、「あらゆる攻撃に安全」という約束は果たされなかった。