アタックとリリース
信号がスレッショルドを超えてからコンプレッサーが効き始めるまでの速さと、下回ってから元に戻るまでの速さを決める二つの時定数。
どちらもミリ秒で表されるが、数値の意味はメーカーごとに異なる。最終的なゲインリダクションの約63%に達するまでの時間、つまり到達点ではなく時定数であることが多い。アタックを遅くするとドラムの打撃の最初の数ミリ秒が圧縮されずに通り抜け、パンチはむしろ増す。逆にアタックが速いとトランジェントは潰れる。
難しいのはリリースだ。遅すぎるとヒットの合間に回復できず、常に潰れたままの音になる。速すぎると低音の波形そのものに追従し、歪みとして聞こえる。その中間にあるのがポンピングで、欠点とされるが、これを軸にダンスミュージックを作る人が現れると途端に芸風になる。そこで素材に合わせて変化するオートリリース(プログラム依存リリース)が使われる。光学式コンプレッサーは、光素子の特性のおかげでこれが最初から備わっていた。