aRts
詳細情報
- 開発者
- ステファン・ヴェスターフェルト
- 種別
- サウンドサーバー
- ライセンス
- GPL/LGPL
KDE 2および3のサウンドサーバー。1990年代後半にモジュラー式のソフトウェアシンセサイザーとして始まり、KDEユーザーなら誰もが切ることを覚えるプログラムとして終わった。
ステファン・ヴェスターフェルトはaRts(analog real-time synthesizer)を、オシレーター、フィルター、エフェクトをartsbuilderでグラフィカルに配線するモジュラーシンセとして始めた。ソフトウェア版のムーグのようなものである。モジュールを別プロセスに置けるよう、リアルタイムオーディオにはCORBAが遅すぎると判断して独自のオブジェクトシステムMCOPを書いた。この結論は、KDEがDCOPで到達したものと同じだった。2000年にKDE 2.0が登場すると、サウンドカードを同時に開けるのが1つのプログラムだけだったため、GNOMEがESDを必要としたのと同じ理由でデスクトップにサウンドサーバーが必要になった。この役目をaRtsが担い、artsdデーモンがすべてのプログラムの音をミックスし、artsdspがaRtsを知らないプログラムを捕まえ、その上にNoatunプレーヤーが作られた。
aRtsが語り草になったのは日常の使い勝手のせいである。レイテンシ、何も再生していないのにCPUを食うデーモン、少し無音が続くと眠ってカードを解放してしまい次の音が消える挙動。ヴェスターフェルトは早くも2004年に開発を続けないと表明したが、KDE 3はその後も4年間これと付き合った。KDE 4(2008年)はミキシングを一切行わず、下層のxine、GStreamer、PulseAudioに任せるPhononに置き換えた。シンセサイザーのアイデアはどこにも残らず、誰もが覚えていたのはサウンドサーバーのほうで、しかも良い思い出ではなかった。