AIディレクター
固定のスポーン表ではなく、プレイヤーの実際の状況に応じて敵・資源・緊迫度といったゲームのペースをリアルタイムで調整する、全体監督のシステム。
この名称と発想を広めたのは、Valveの『Left 4 Dead』(2008年)である。作中の「ディレクター」は、体力、位置、直近でどれだけ血が流れたかといったプレイヤーのストレスを読み取り、ゾンビの群れ、アイテムの配置、音楽を調整して、意図的に山と谷をつくった。台本の代わりに、手続き的な演出をゲームに任せたわけだ。
個々の敵を動かすAIとは異なり、ディレクターは一体のエージェントではなく体験全体を操る。その後も動的難易度やエンカウントのペース配分に、さまざまなタイトルで類似の仕組みが使われている。位置づけとしては、各キャラクターを動かすビヘイビアツリーやユーティリティAIの上に立つ層である。