RECORD拡張(X11)
あるクライアントが、サーバーと他のすべてのクライアントの間を流れるプロトコル通信を傍受できるようにするX拡張。マクロ記録を目的としたが、キーロガーにも同じくらい使える。
この拡張は1990年代半ばのX11R6.1で登場し、XTESTの対になるものとされた。XTESTが合成イベントを注入するのに対し、RECORDは本物のイベントを捕捉する。クライアントは、どのクライアントについて、どのリクエスト、応答、イベント、エラーを見たいかを登録し、専用の接続でストリームのコピーを受け取る。xneeやxmacroがセッションを記録して再生できるのも、テストツールが「クリックしたとおりにプログラムが動いたか」を検証できるのも、この仕組みによる。
欠点は設計に組み込まれている。サーバーへの有効な接続を持つ者なら誰でも、パスワード入力欄を含むあらゆるウィンドウの全キー入力を要求でき、Xにはそれを拒む権限レベルがない。この拡張は2009年前後のXorgのいくつかのリリースで壊れていたが、入力ツールが動かなくなるまで誰も気にしなかった。Waylandには意図的に同等のものがなく、画面録画やマクロのツールが一から作り直しになった理由の一つである。