転置式暗号
文字はすべて残し、順序だけを入れ替える暗号。換字式の対極にあり、現代のあらゆるブロック暗号の半分を占める発想でもある。
平文をあるパターンで書き込み、別のパターンで読み出す。レールフェンス暗号は数段の行をジグザグに進む。列転置は格子に行ごとに書き込み、鍵語で決めた列の順に読み出す。この列転置を二度行うのが二重転置で、諜報員や軍隊が第二次世界大戦のころまで頼りにしていた。
弱点は統計にすぐ現れる。文字の出現頻度が平文とまったく同じなので、解読者はどんな種類の暗号かを即座に見抜ける。強みが出るのは、ADFGVXのように、入れ替えと換字を組み合わせたときだ。Claude Shannonは1949年にこれを「錯乱と拡散」として定式化し、現代のブロック暗号は今もこの2つを交互に繰り返している。