THD(全高調波歪み)
機器が純音に付け加える高調波成分の量を、基本波に対する割合で表したもの。
テストは単純で、通常は1 kHzの正弦波を入力し、その整数倍の2 kHz、3 kHzなどのエネルギーを基本波のエネルギーと比べる。結果はパーセントまたはデシベルで示される。THD+Nはノイズや基本波以外のすべてをまとめて含めた値で、データシートに実際に載っているのはたいていこちらだ。
1970年代にはこの数字が販売競争の武器となり、日本のアンプは聞き取れる限界よりはるかに低い、0.00何パーセントの世界を競った。それに、どの高調波が出ているかは何も語らない。真空管段の偶数次高調波は温かく、クリッピングによる奇数次高調波は耳障りに聞こえるが、THDは同じ値になりうる。スペックの良いDACのほうが音が悪いことも、十分にありうる。