残響時間(RT60)
音源が止まってから、室内の音が60 dB減衰するまでの時間。音響学で最もよく引用される数値である。
起源はウォレス・クレメント・セイビンにさかのぼる。1898年頃、ハーバード大学のひどい講義室の改善を頼まれた彼は、残響時間が部屋の容積に比例し、吸音力に反比例することを突き止めた。その式 RT60 ≈ 0.161·V/A は、今も誰もが最初に手を伸ばす見積もりだ。コンサートホールで約2秒、リビングルームで約0.5秒程度になる。
実際には60 dBまるごとの測定は難しい。その前に暗騒音に埋もれるからだ。そこでISO 3382の定めるとおり、20 dBや30 dBの範囲で減衰を測って外挿する。リバーブのプラグインでは、このパラメーターは単にdecayやtimeと表示されることが多いが、中身はRT60である。シミュレートされた部屋が現実に建てられるかどうかは問われない。