ロールバックネットコード
相手の入力を推測したまま先に進み、本当の入力が届いたら巻き戻して計算し直す方式。
トニー・キャノンが2006年にGGPOを作ったのは、格闘ゲームが遅延に極端に敏感だからだ。16 msのフレーム一つで、コンボが決まるかどうかが分かれる。この方式は、相手が直前のフレームと同じ操作をしていると仮定してそのままシミュレーションを進め、数フレーム後に実際の入力が届いたら、ゲーム状態を復元して正しいデータでそのフレームを再生する。プレイヤーが感じるのは、ボタンを押すたびの遅延ではなく、ごく小さな映像の引っかかりだ。
要件は厳しい。シミュレーションが完全に決定論的であること、ゲーム状態の全体を毎秒数回保存・復元できること、再生が1フレーム以内に収まることである。対照的なディレイベース方式は全員を待つ方式で、日本のタイトルで長年主流だった。『ストリートファイターV』の評判の多くはこの点に由来する。いまやロールバックは、このジャンルでは最低限の要件とみなされている。