Robert Moog
電圧制御モジュールによって、シンセサイザーを買って、弾いて、ツアーに持ち出せるものに変えた米国の技術者(1934〜2005年)。
ムーグは学生時代にテルミンを製作し、コーネル大学で工学物理学の博士号を取得した。1964年に最初のモジュールを披露する。オシレーター、フィルター、アンプが、手で回すツマミではなく電圧で互いを制御するものだった。Wendy Carlosの『Switched-On Bach』(1968年)がその音を世に知らしめ、1970年のMinimoogは、衣装箪笥ほどあったモジュラーを舞台に載るサイズにまで小さくした。1969年に特許を取ったラダーフィルターは、今なお模倣され続けている。
経営者としての手腕は、設計者としての腕前に及ばなかった。会社は70年代に人手に渡り、ムーグは1977年に退社して、新製品に自分の名前を使うことも禁じられた。以後はBig Briar名義でテルミンを作り、Moog Musicの商標を買い戻したのは亡くなる3年前の2002年のことだった。