ピンチローラー
テープをキャプスタンに押しつけ、一定の速度で送り出すための柔らかいゴムのローラー。
キャプスタンだけではテープを引けない。テープを研磨された軸に挟み込む相手が要る。それがピンチローラーで、ばねまたはソレノイドで動くゴム製の輪が、デッキの始動時に回り込んでテープを挟み、停止時に離れる。押しつける強さが送りの安定度を決める。
古い機械で最も劣化しやすい部品でもある。数十年の熱でゴムは硬化し、平らな跡がつき、ベタつき、やがて速度がふらつく。音ではワウ・フラッター、データではタイミングのずれとして現れる。カセットデッキが「歌い」始めたら、ピンチローラーの交換が定番の対処だ。