パスカル・ペイエ
1999年の暗号方式で、暗号化されたままの二つの数を、誰も復号せずに足し合わせられるようにしたフランスの暗号研究者。
ペイエはこの方式をEurocrypt 1999で発表した。RSAと同じく素因数分解の困難性に基づくが、RSAには実用的な形では存在しない性質を持つ。二つの暗号文を掛け合わせると、平文の和の暗号文が得られるのだ。このため電子投票では、一票も開けずに集計でき、プライバシーを保つ統計の部品にもなる。
この方式は加法準同型にとどまり、クレイグ・ジェントリーが任意の関数を計算する方法を示すまでに、さらに約10年かかった。その間、実際に出荷されたのはペイエ暗号だった。本人はGemplusでスマートカードのセキュリティに長く携わったのち、コンサルティング会社CryptoExpertsを設立した。