オーバードライブ(ギターエフェクター)
真空管アンプを上げすぎたときの音を模したペダル。ファズの硬いクリッピングに対し、こちらはソフトクリッピングである。
過負荷になった真空管の増幅段は、波形が徐々に丸くなる。軽く弾けばクリーンなままで、強く弾けば歪む。オーバードライブペダルは、オペアンプと、帰還ループ内の一対のダイオードでこれを再現する。ダイオードは信号が大きくなって初めて導通する。1977年のBoss OD-1は先駆けのひとつで、その数年後のIbanez Tube Screamer TS808が手本となった。ダイオード、中域の盛り上がり、トーンノブという構成である。
チューブスクリーマーは、その歪み自体よりも、すでに歪みかけているアンプの前に置いて低域を引き締める目的で使われることが多い。ビル・フィネガンが1994年に作ったKlon Centaurは数千台しか作られず、中古価格は今や上質なアンプを上回る。そのため「クローン」ならぬ「クロン」と呼ばれる模倣品の小さな産業まで生まれた。