著作者人格権 (Moral rights)
氏名を表示される権利と、作品を歪められることに異議を唱える権利。著作権のうち、売り渡せない部分である。
概念はフランス語のdroit moralに由来し、1928年にベルヌ条約へ盛り込まれた。欧州の多くの国では氏名表示権と、名誉を損なう改変から守られる権利が認められている。日本の著作権法も同様で、公表権・氏名表示権・同一性保持権を定める。財産的な権利と違って譲渡はできず、放棄できる範囲も限られる。米国はほとんど認めておらず、例外は視覚芸術に限った1990年の法律くらいだ。
ソフトウェアでは法的な脚注にとどまることが多いが、CC0のようなパブリックドメインへの提供が権利を放棄するのは「法が許す範囲で」とされる理由を説明してくれる。自作に自分の名前を付ける権利を、手放したくても手放せない国は多いのだ。