インクリメンタルプロッタ
8方向に1ステップずつしか動けないプロッタ。コンピュータが送るのは座標ではなく、移動パルスである。
CalComp 565は1959年に登場した、初の商用デジタルプロッタだった。できることはちょうど三つ。ドラムを1ステップ回す、ペンを1ステップ動かす、ペンを上げ下げする。1ステップは0.01インチで、両軸を同時に動かせば、四つの斜め方向がおまけでついてくる。円も曲線も文字も、すべてホスト側で計算され、増分の連続として出力された。
原始的に聞こえるし、実際にそうだったが、インターフェースがあまりに単純だったので、グラフィックス機能をまったく持たない機械が、テープドライブからプロッタを駆動することさえできた。軸、曲線、記号を描くCalCompのFORTRANルーチンは、1960年代の工学分野でデファクトスタンダードになった。プロッタ自身がプロセッサを持つようになって初めて、曲線の生成が装置内に移り、HP-GLのような言語で、100分の1インチずつ綴らずに「ここまで線を引け」と言えるようになった。