フォーカススティール防止
別のウィンドウで入力中に、新しく開いたウィンドウがキーボードフォーカスを横取りしないよう、ウィンドウマネージャーが守るルール。タイムスタンプで「ユーザーが望んだ前面化か」を判定する。
起動の遅いプログラムが文の途中で現れ、続きの入力とEnterキーを受け取ってしまい、パスワードを別の欄に打ち込む――誰もが一度は経験している。Windowsは98/2000の頃からSetForegroundWindowに制限を設け、奪えない側にはタスクバーの点滅(FlashWindowEx)で我慢させた。macOSは最初から、前面に飛び出す代わりにDockで跳ねて知らせる方式だった。
X11では長らく、どのクライアントも一回の呼び出しでフォーカスを取れた。KWinは2004年のKDE 3.2で段階的な防止機能を導入し、その仕組みは翌年EWMH 1.3で標準化された。_NET_WM_USER_TIMEプロパティに、ユーザーの直近の操作時刻を刻む方式だ。アクティブな窓での最後の操作より古い刻印を持つ新規窓は、背面に開きDEMANDS_ATTENTIONが付く。すべては各プログラムが刻印を正直に付けることが前提であり、古いMotifアプリが今も気ままに前面へ飛び出すのはそのためだ。