エクアトリウム
プトレマイオスのモデルによる惑星の位置を、正しい設定に合わせて回すだけで求められる器具。計算は要らない。
プトレマイオスのモデルから惑星の位置を求めるには、周転円と導円を使った面倒な計算が必要だった。エクアトリウムはそれを機械的に行った。目盛り付きの円盤と腕がモデルの幾何を実物の形で再現し、天文学者は日付を合わせて腕を回し、経度をリングから直接読み取った。いわば天体のための、専用のアナログコンピュータである。
11世紀にはアンダルスの天文学者アル・ザルカーリー(アザルキエル)がトレドで精巧なエクアトリウムを作り、ヨーロッパにも同種の器具が続いた。1392年ごろの『The Equatorie of the Planetis』は、ジェフリー・チョーサーの作とされることもある。アストロラーベが恒星を扱ったのに対し、エクアトリウムはより難しい惑星を受け持った。