エルガーはこれを若いドラ・ペニーに送ったが、彼女は意味をつかめなかった。文面は87文字で、1〜3本の弧を8通りの向きに描いた24種の記号から成る。ほぼ一つのアルファベットの数であり、単純な換字暗号を思わせる。しかし87文字では頻度分析の手がかりが乏しく、これまでの解読案は、綴りの誤りや内輪の冗談、音写的な綴りといった仮定をどれも必要とした。
エルガーは熱心なアマチュア暗号家で、雑誌が解読不能と称した暗号を破ったこともある。後に彼はドラを『エニグマ変奏曲』(1899年)の一曲に描いた。この題名はドイツの暗号機とは何の関係もないが、暗号の専門家はわざわざそれを指摘する。