Cortex-R
Armのリアルタイム向けコアファミリー。Cortex-Mより力があり、Cortex-Aを予測不能にする仮想メモリは持たない。
系列は2006年のCortex-R4に始まり、答えが「平均して速い」ではなく「期限どおりに」返ることが求められる場所で使われている。ハードディスクやSSDのコントローラ、携帯電話のベースバンドモデム、ブレーキやエアバッグの制御などだ。実物を目にする機会はほぼなく、別のチップの中に潜んでいる。
Cortex-Mを単に大きくしたものと違うのは、信頼性のための仕組みである。アクセス時間が固定のTCM、メモリとキャッシュのECC、2つのコアをロックステップで動かしてサイクルごとに結果を比較する構成も選べる。メモリ保護はMMUではなくMPUで行う。ページテーブルウォークは所要時間の上限を保証しにくいからだ。2020年のCortex-R82は初の64ビット版である。