リミッター(オーディオ)
レシオを無限大にしたコンプレッサー。どれだけ強い信号が来ても、上限(シーリング)は超えさせない。
コンプレッサーはスレッショルドを超えた分を一定の比率で下げるが、リミッターはそもそも超えることを許さない。デジタルの「ブリックウォール」型は数ミリ秒先を先読みするので、ピークが来てから慌てて反応するのではなく、到達前にレベルを下げられる。その分生じる遅延は、DAWのプラグイン遅延補正が吸収する。
1994年のWaves L1によって、リミッターはマスタリングの標準的な道具になった。ピークを潰し、全体を持ち上げれば、ライバルの盤より大きな音で鳴る。これがラウドネス・ウォーの号砲だった。現代のリミッターは内部でオーバーサンプリングし、サンプルとサンプルの間に生じるピークも捉える。そうしないと、dBFSで指定したシーリングは希望的観測にすぎない。