ディザ(オーディオ)
ビット深度を下げる前にわざと加える微弱なノイズ。丸め誤差が音楽に追従する歪みではなく、一定のヒスノイズに変わる。
24ビットのミックスをCDの16ビットに落とすと、すべてのサンプルが丸められる。大きな音なら誤差はノイズとして聞き流せる程度にランダムだが、長いフェードアウトでは誤差が信号と相関を持ち始め、余韻にざらついた、いかにもデジタルらしい音が音楽に合わせて脈打つように乗る。丸める前に少量のランダムノイズを足すと、この相関が断ち切られ、残るのは一定のヒスだけになる。
よく使われるのは、±1 LSBにわたる三角分布を持つTPDFディザである。1980年代にVanderkooyとLipshitzが、これで歪みもノイズ変調も聞こえなくなることを示した。代償はノイズフロアが5 dB弱上がる点。ディザは最後に一度だけかけるのが鉄則で、途中の工程ごとにかけるとヒスが積み重なるだけだ。
画像のディザリングもまったく同じ発想で、なめらかなノイズは目に見える段差に勝つ。