Akai S1000
1988年に登場したAkaiのラックマウント型16ビット・ステレオサンプラー。スタジオの定番となり、そのディスクフォーマットは業界の共通言語になった。
S1000は16ビット/44.1kHz、つまりCD品質でサンプリングし、同時に16音を発音できた。メモリは数メガバイトで増設も可能であり、当時としてはドラムキット一式やそれなりのピアノを収めるのに十分だった。価格はFairlightやSynclavierの何分の一かに収まり、Ensoniq Mirageのような8ビット機と比べると音もクリーンだった。
真に長く残ったのはフォーマットのほうである。CD-ROMで売られるサンプルライブラリは、本体がS3000シリーズに世代交代した後も長くAkai形式で供給され、ソフトウェアサンプラーも利用者の資産を無駄にしないよう読み込みに対応した。ハードウェアより二十年ほど長生きしたディスクフォーマットである。