ABXテスト
Xが無作為にAかBのどちらかであり、聴き手がそれを当てる二重盲検の試聴テスト。違いが本当に聞こえているかを示せる唯一の方法である。
この手法は1970年代後半、アーノルド・クルーガーらを中心とする米国のオーディオ愛好会から生まれ、1982年にデヴィッド・クラークがAES(オーディオ技術者協会)の論文誌で発表した。聴き手はAとBを正体を知ったうえで聴き、続いて正体を伏せたXを聴く。部屋の誰も答えを知らないので、先入観が結果に紛れ込む余地がない。
1回の当てずっぽうでは何も証明できず、ものを言うのは統計である。16回中12回正解なら偶然の確率は約4%で、通常はこれで有意とみなす。ABXテストはMP3やOpusといった非可逆コーデックの調整に欠かせなかった。高価なケーブルやハイレゾ音源が安価なものと区別できないことを突きつけてしまうのが、玉に瑕である。