X.500
OSIが描いた、ネットワーク世界の電話帳。完成することはなかったが、子孫はほぼすべての企業ネットワークにいる。
1988年にCCITTとISOが公開したディレクトリサービスで、世界中のあらゆる組織を1本のツリーに収める構想だった。各エントリには cn=Anne Smith, o=Example Ltd, c=GB のように上位から組み立てた識別名が付き、クライアントはDAPというプロトコルで問い合わせる。whois や CSOネームサーバ のような寄せ集めを置き換える、包括的な仕組みのはずだった。
ところがDAPはOSIの全スタックを必要とし、当時のパソコンには荷が重かった。1993年にミシガン大学がTCP/IP上の軽量版であるLDAPで応え、こちらが主流になった。世界規模のディレクトリは実現しなかったが、命名方式はLDAPやActive Directoryに生き続け、X.509証明書形式も元はX.500の認証部品として生まれたものだ。