トランスポジションテーブル
解析済みの局面を保存するキャッシュで、手順が違うだけで同じ局面に到達したとき、探索がもう一度計算し直さずに済む。
チェスでは、1.e4 e5 2.Nf3と1.Nf3 e5 2.e4は同じ局面に至る。これがトランスポジション(手順前後)だ。記憶がなければ探索は同じ局面を二度解析し、木の深いところでは重複が何百万にも達する。テーブルは局面のハッシュをキーにした大きなハッシュテーブルで、ハッシュには通常ゾブリストが使われ、探索の深さ、評価値、その値が正確か下限・上限にすぎないか、そして最善手を格納する。
最後の項目は評価値と同じくらい重要だ。反復深化では前回の反復の最善手を最初に試すため、アルファベータ法の効率が大きく上がる。テーブルが十分に大きいことはなく、どのエントリを上書きしてよいかを決める置換方針をエンジンは持つ。古典的なキャッシュのトレードオフが、装いを変えて現れたものである。