隠蔽によるセキュリティ
仕組みを誰も知らないことに頼る方式。誰かが分解するまでは成り立つ。
ケルクホフスの原理の逆で、安全性を鍵ではなく設計の秘密に預ける考え方である。歴史ははっきりしている。MIFARE ClassicカードのCrypto-1暗号、GSMのA5/1、数多くの秘密の社内プロトコルは、誰かがチップを解析するか通信を解読した時点で、欠陥が根本的なものだったと判明した。
ただし微妙な点があり、追加の層としてなら隠蔽にも価値はある。SSHを別のポートに移しても標的型の攻撃者は止まらないが、ログのノイズの大半は消える。問題になるのは隠蔽が唯一の防御になるときで、特に検証を避ける口実に使われるときだ。それはもはや防御ではなく、システムが壊れているという知らせを先送りする手段にすぎない。