セキュリティシアター
実際に安全になるわけではないのに、安全になったと感じさせるための対策。
この言葉はブルース・シュナイアーが2003年の著書『Beyond Fear』で広めたもので、主な題材は9.11後の空港だ。本物のIDを持つ者は止められない身分証確認、阻止された一件の陰謀を受けて作られた液体持ち込み制限、駅で立っているだけの武装警備員。共通点は、目立ち、金がかかり、リスクをほとんど動かさないことである。
ITにも独自のレパートリーがある。Summer2024!を量産するパスワード規則、「軍用レベルの安全性」をうたうバッジ、誰もログを読まないまま消化されるコンプライアンスのチェックリスト。シュナイアー自身、体感リスクが実際のリスクを上回るときには芝居にも価値があると認める。問題は、それが効果のある対策の代わりに置かれることがあまりに多い点だ。