『Secrets and Lies』
Bruce Schneierが2000年に出した著書。『Applied Cryptography』の著者が、数学は決して弱点ではなかったとほぼ認めている。
副題は『Digital Security in a Networked World』。何より記憶されているのは序文である。『Applied Cryptography』から6年後、Schneierは、強力な暗号があれば十分だと信じていたが、間違いだったと書いた。システムは暗号が破られて崩れるのではない。ユーザーが弱いパスワードを選び、実装が情報を漏らし、組織が侵入に気づかないから崩れるのだ。
この本は、Schneierがメールマガジンの『Crypto-Gram』で言い続けていた考えを一般の読者に届けた。脅威をモデル化する手法としての攻撃ツリー、製品ではなくプロセスとしてのセキュリティ、予防と同じくらい重要な検知と対応である。個別の内容は古くなったが、暗号から人間と経済へと視点を移したことが、今も読まれる理由である。