シーンミュージック
トラッカーソフトと限られた音源ハードで作られる電子音楽。シーンのパーティやディスクマガジンで配布された。
シーンミュージックは、趣味人たちがCommodore 64のSIDチップやZX SpectrumのAYチップをなだめすかし、原始的な発振器から豊かな楽曲を引き出したことから生まれた。作曲者はトラッカーという、音符、テンポ、エフェクトを順に打ち込んでいく格子状のアプリで、ハードの制約からは信じがたいほど緻密な曲を作った。のちにゲーム音楽やメインストリームの電子音楽へ移った人も多く、Jeroen TelやRob Hubbardといった名前は、人々がデジタル音をどう聴くかを決定づけた。シーンの内部では、腕のよい作曲者は優れたコーダーと同じ敬意を受けた。名曲はデモを記憶に残すからである。